ロジオンです。
音楽の第16回目は1970年代前半に活動したイギリスのフォーク/プログレッシブロックバンドSpirogyra(スパイロジャイラ)について書いてみます。
特に3枚目のアルバム「Bells,Boots And Shambles」は、Mellow Candle,Tudor Lodgeのアルバムとともに、再発CDが出回るまでは入手困難だったようで、「ブリティッシュフォーク三種の神器」と呼ばれていたらしいです。私も、地方のCDショップに簡単には置いていない・・ので、東京出張の帰りにようやく購入出来た思い出があります。
長尺の曲が多く展開の変化も激しい印象があります(プログレっぽいです)。一方で曲調はどこか懐かしい雰囲気のあるフォーク・ロックがベースとなっており、アコースティックギターとヴァイオリン、フルート、ストリングスが混ざり合い、独特の世界観です。
男女混声のグループですが、特にBarbara Gaskin(バーバラ・ガスキン)の声と歌唱が素晴らしいです。バンドの中心メンバーであるMartin Cockerham(マーティン・コッカーハム)のボーカルはかなり荒々しい・・というか癖が強いので、人を選ぶと思います(正直なところ私も苦手かも・・。)。
【特に好きな曲】
1) In the Western World
12分以上の長尺の曲ですが、展開が多く飽きさせません。私は特に前半部分が好きです。
・0:00～冒頭のバーバラのバラードっぽい歌唱で夢の世界に誘われる感じです。
・1:30～疾走感のあるギターのカッティングが続きます。格好良い！
・2:22～バーバラのリードヴォーカルが続いたあと、サビっぽい部分では男女混声へ
・4:30～その後、ギターの伴奏～馬の蹄の音で一旦曲が終わったかと思いきや・・ (まだ半分)
・6:30～マーティンの静と動のコントラストが印象的なリードヴォーカルパートが続きます(Coming Back)。
・9:05～最初のほうにもあったギターカッティングが再び鳴り響きます
・10:30～バーバラを歌声をバックにした壮大な曲調に移行。そのままエンディング。
Spirogyra - In the Western World
2) The Furthest Point
この曲も8分を超える長尺の曲です。
・0:00～ 2分程度のイントロ。幻想世界に誘われるような雰囲気が好きです。
その後、コーラスパートへ。
・3:30～ バーバラの優しく語りかけるようなリードヴォーカルパート。
個人的にはこの部分が一番好きです。
・4:44～ 冒頭と同じようなコーラスパートが再び繰り返されます。
・5:35～ マーティンがリードヴォーカルを取るパート。少し激しくなってきます。
・7:40～ 最後は穏やかな曲調に変化して終了
3) The Duke of Beaufoot
この曲も約8分の長尺曲です。
・0:00～民族音楽風のコーラスが印象的なこの曲のメインテーマっぽいパート
・2:40～疾走感溢れる伴奏にバーバラの歌声が乗ってきます。
(私が特に好きな部分です。)
・4:20～混声でのパワーバラード風なパート。キャッチーなサビのメロディが印象的です。
・7:00～冒頭と同じようなメインテーマになってエンディング
Spirogyra - The Duke of Beaufoot (1971)
4) We Were An Happy Crew
3つくらいのパートに分かれている曲ですが、私は特に冒頭のバーバラがリードヴォーカルを取るバラードっぽい部分が好きです。
Spirogyra - We Were An Happy Crew
5) Love is a Funny Thing
2分ちょっとの短い曲ですが、牧歌的で優しいメロディーのバラードです。
アコギと笛の伴奏とバーバラの歌声がとても美しく、癒やされます。
Spirogyra – Love Is a Funny Thing ( 1971, Psych Folk, UK )
幽玄な世界観の音楽の中で、バーバラ・ガスキンの美しい歌声が響くところは、本当に心を洗われるような感覚です。随分前の話ですが、音源を入手するのにそれなりに苦労したこともあり、そのあとは何度も繰り返し聞いていた記憶があります。
以前の記事でも書いたかもしれませんが、昔は音源すら入手困難だったジャンルでも、今は簡単に入手できる手段が多くて、本当に幸せな時代だな～と思います。
今回は以上です。
