ロジオンです。
音楽の第7回目はメタルゴッドJudas Priestを取り上げてみます。思い入れのあるバンドの一つなので、今回は特に私の好きな初期(~1979年のUnleashed in the Eastまで)に絞って整理してみます。
初期は叙情的なブリティッシュハードロックというイメージですが、アルバムを重ねるごとに徐々にヘヴィ・メタル化していきます。(途中から問題作と言われるような作品も多々出していきますが、PainkillerまでのJudas Priestは常に進化を模索し続けてきたとが魅力だと個人的に思います。)
学生時代、肺気胸で入院していたとき、友人にベスト盤(Metal Works)のカセットテープをもらってウォークマンで聴いたのがきっかけですが、それ以来、何度聞いても飽きが来ないのが不思議です。Loudness・Richie Blackmore・Gary Mooreとならんでこれまでの人生で最も長く聴いてきたアーティストの一つとなります。
【Judas Priest超概略】
・イギリス バーミンガム出身のバンド(1970~。デビューは1974)
・音楽性やファッション等ヘヴィ・メタルのイメージを作ったバンドの一つ。
・Rob Halford(ロブ ハルフォード)の高音ヴォーカルやシャウトが印象的。
・Grenn TiptonとK.K.Downingのツインリードギターも特徴。
【特に好きな曲(初期)】
1) Beyond the Realms of Death
悲しく美しいアルペジオと語りかけるようなロブの歌唱が印象的なイントロ~Aメロ。そして激しいリフとロブのシャウトが印象的なサビ。静と動のバランスが取れた名曲だと思います。
そして妙に印象に残るギターソロ。グレンの名演の一つと思います。そこそこ長いギターソロですが、構成が絶妙で飽きないです。
・・と偉そうに書きましたが、最初に聴いたときは全く印象に残らなかったです(ちなみにこの曲のサビをギターで弾く練習を実家でしていたら、姉から「ドリフの早口言葉みたい」と言われた記憶が・・。確かに似てるかも。)。
それがなぜか今ではJudas Priestの中でも最も好きな曲の一つになりました。何度聴いても飽きないスルメのような曲です。
ライブの定番曲ですが、この曲に関してはアコギのギターの音が綺麗なスタジオ盤の方が私は好きです。
自分が死ぬ時にはこの曲を聴きながら・・が理想です。
Judas Priest - Beyond the Realms of Death (Official Audio)
2) Before the Dawn
5thアルバム「Killing Machine」収録のバラードです。
アコギの美しいメロディーとロブの切ない歌唱が印象的です。「Killing Machine」あたりからは激しい曲が多いので、アルバム終盤にこの曲を聴くとホッとします。
昔、働き方改革なんて言葉が無かった頃、夜明け前から出勤したり、金曜夜は徹夜で土曜日は朝帰りが日常でしたが、アンニュイな気分のときにこの曲をよく聴きながら出退勤していたのを思い出します(歌詞は夜明け前という以外、全然関係無いんですけど)。。
Judas Priest - Before the Dawn (Audio)
3) Diamonds And Rust
フォークの女王Joan Baezのヒット曲が原曲ですが、全く違うアレンジです(私はJudas Priestが先だったので、逆にこんな原曲だったんだ、とびっくりしました。原曲も大好きです)。
原曲の持つ愁いと素晴らしい歌メロはそのままに、ハードロックのダイナミズムを加えて、更に自分達なりのサビまで付け加えてカバーしています。
特に躍動感のあるライブバージョンが好きです。
Judas Priest - Diamonds And Rust - R 1979 / Live
4) The Green Manalishi(With the Two Pronged Crown)
Freetwood Macのカバー曲です。歌メロやリフはほぼ踏襲している部分が多いですが、ハードロックにアレンジされており原曲より圧倒的に迫力があります(原曲の方が妖しさはありますが・・)。
歌とギターリフの掛け合いが印象的な曲です。ライブバージョンの最後で会場全員でオーオーオオーオーオオー~と合唱するところが最高に盛り上がる感じで良いです。
The Green Manalishi (With the Two Pronged Crown) [Live from the 'Fuel for Life' Tour]
5) Tyrant
2nd「Sad Wings of Destiny」収録でかなり初期の曲ですが、今もライブで演奏されています。アルバムバージョンは流石に音がシャカシャカしていますが、ライブバージョンで聴くと曲自体には全く古臭さは無く、Judas Priestの根っことなる部分は既に最初から確立されているような気もします。
この曲のサビはJudas Priestの楽曲の中でもかなりメロディアスな方だと思います。特にギターソロからサビに入っていく部分の盛り上がりが好きです。
Judas Priest - Tyrant. Unleashed in the east(live)
6) Running Wild
とてもシンプルで疾走感に溢れる曲です。この曲あたりになるとブリティッシュハードロックというよりヘヴィ・メタルと呼ぶ方が良いような感じです。ギターリフが最高に格好良いです。
Judas Priest - Running Wild - R 1979 / Live
7) Ripper
2nd「Sad Wings of Destiny」収録曲です。切り裂きジャックをテーマとした歌詞ですが、その不気味さと狂気をうまく表現した曲と思います。まだ方向性を模索していた初期の頃だから出せる自由な表現が、逆に今聴いても新鮮です。
ロブのスクリームも凄いですが、ギターのツインギターのメロディー・リズムも独特です。ギターソロのあとのブリッジの部分が妙に妖しくて、背後から襲いかかられそうな気がしてきます。
Judas Priest - The Ripper (Video)
8) Hell Bent for Leather
この曲はライブでロブがハーレーに乗って現れるイメージが強いです。Running WIld同様、疾走感に溢れる曲です。
サビでの歌とギターの掛け合いがとても格好良いと思います。当時流行りだしたタッピングを使ったギターソロも、今聞くとシンプルですがやはり格好良いです。
短いのが逆に良くて、少し気合を入れたいときなどはこれを聴いて気分を盛り上げたりして重宝しています。
Judas Priest - Hell Bent for Leather (Live from the 'Fuel for Life' Tour)
1970年代後半をリアルタイムで経験した訳ではないのですが、アルバムを追っていくと、徐々に自らのアイデンティティーを確立していくJudas Priestの進化が良く分かって面白いです。一方でこの時期にしか味わえない叙情性やメロディーもあり、私は1970年代後半のJudas Priestが一番好きです。
また機会あれば1980年代以降も整理していこうと思います。
今回は以上です。